知っておきたい人たち

近代科学の成立に影響を与えた人たち

 コペルニクス、ケプラー、ガリレイ、デカルト、ホイヘンス、ニュートンの他にも、近代科学の成立に寄与した科学者は多い。その中で特に、ニュートンに影響を与え、これまでに紹介していなかった人々を簡単に紹介する。

 年代比較
   名前   *1546   *1596     *1642 1689*    1727*
ティコ・ブラーエ*========
デカルト          *========
ブーリオー          ===============
ストリート             ==========*
ディグビー          ==========
チャールトン            ===============
ニュートン                 *============*


観測による宇宙構造の解明の芽生え


ティコ・ブラーエ(Tycho Brahe. 1546-1601)

 肉眼観測で大変精密な天体の観測データを集積し、後にこれを受け継いだケプラーによって惑星運動における三法則が発見されることになる。また、ブラーエ自身も宇宙構造の解明に取り組み、コペルニクス説とそれまでの天動説の折衷としての宇宙構造を提唱した。それは、地球を中心とし、その周りに月と太陽がまわっている。そして、太陽の周りに地球以外の惑星がまわっているという説である(右図)。
 精密な観測データを集めた。1572年の新星と1577年の彗星の出現により、不生・不滅・不変の天界の考えに疑問を持った。


定性的法則から定量的法則の提唱へ

ブーリオー(I. Bouliau. 1605-1694)

 『フィロラオス天文学』(1645)の中でブーリオーは、惑星を運動させる力が存在するならば、それは距離の2乗に逆比例して変わると述べいる。

ストリート(Walter Charleton. 1622-1689)

 『カロリーナ天文学』(1661):惑星運動の物理的原因としては、デカルトの渦動説とケプラーの疑似磁気的な太陽の引力の考えをもとに提案したものである。この中で、ケプラーの2つの法則(第1法則:惑星の楕円軌道、第3法則:太陽-惑星間の距離の2乗は回転周期の3乗に比例する)については認めている。また、これは、当時まだ一般に受け入れられていなかったケプラーの考えを、イングランドで広める役割を演じた。
 ケプラーの第1・第2法則を取り入れている。また、惑星運動の中心とは異なる一点のまわりを、惑星が等角速度で運動するという理論を、ケプラーの第2法則の代わりに用いている。デカルトの渦巻き運動とケプラーの疑似磁気的な太陽の引力を、惑星運動の物理的原因としている。


作用・反作用の考えの芽生え

ディグビー(Walter Charleton. 1603-1665)

 『二論文』(1659):地球の外側から内側へ下降してくるエーテルのような物質のシャワーが重さを引き起こすと考えた。ニュートンははじめ、この考えに影響されたこともあった。ディグビーはデカルトと親交があり、その影響を強く受けたらしい。
 また、ここには作用反作用についての記述があり、ニュートン独自に考えだしたものではないことが分かる。「反作用について。まず最初に純粋の位置運動において、各々作用者は作用することにおいて受けとり、受けることにおいて作用する。他に働きかけているすべての物体は、それらが働きかけている時と同じ時に同様に、それらが働きかけているところのものから作用を受ける。そして逆に、他から作用を受けるすべての物体は、同時に再び他のものに対して働きかける。


ウォルター・チャールトン(Walter Charleton. 1620-1707)

 チャールトンもまたデカルトの影響を受けたひとりであろう。以下の書物では、運動量の保存、作用の相互性について述べられている。
『Physiologia Epicuro-Gassendo-Charltoniana』(1654)
CHAP.II. Of Motion. SECT.II. (p.445)
 And Hence may we extract these notable Conclusions. () That, because look how much one Atom, being impacted against another.doth imple it, just so much is it reciprocally impelled by it; and so the Force of motion doth neither increase, nor decrease, but, in respect of the Compensation made, remains always the very same, while it is executed through a free space, or without resistence:

訳[27]
 そしてここから、我々はこれらの注目に値する結論を引き出してもよいだろう。(1)他のものによって衝突させられたひとつの原子は、他のものによって相互に押されたのと同じだけ他を押す。そして、それゆえ、運動の力は増しも減りもしない。衝突が、自由な空間あるいは抵抗のない空間で行われるなら、埋め合わせはたえず同一にとどまる。