アントシアニンで色を楽しもう

                   待場 弘樹
 レジュメより 

 酸・塩基そしてpHの次に学習するのが中和適定

 中和適体になると指示薬の出番です。ヒェノールフタレンにメチルオレンジ。これは合成もできるし色の変化もメリハリがあって実用的です。これに中学校時代からなじみのBTBに骨董的なリトマス紙を紹介すればまずOK。

 でも何かモノ足りない。身近なものに結びつけたい。そこでレモンティーやムラサキキャベツの登場。ところが実際やってみるとパッとしないスッキリしない。『ほれほれ見てごらん』ともってまわりたくなるほどではない。

 そんなのはないかと探したときもありましたが、みつからず、そのうちにウヤムヤに。ところがあったにです。沖縄にあったのです。しかもさつまいもでした。修学旅行で沖縄に行ったとき食べた紅芋アイスクリームやケーキは色がきれいしうまかった。紅芋をたくさん買って帰り、おみやげに紅芋団子を作ることにしました。蒸かした紅芋をご飯ベラで裏ごししてたら飯ベラが緑色になったのです。ご飯ベラはよく洗っているのですが、せっっけんを作るのに使ったことがありました。つまりアルカリ性で緑色になった。この色素はアントシアニンだ。しかも色の変化がきれいだ。紅芋団子に舌つずみを打ってからお土産として配ったあとアントシアニンの抽出を始めました。

 紅芋から抽出したアントシアニンのpHによる色の変化を見たら『ホレホレ見てごらん』と持ってまわりたくなってしまいました。

 アントシアニンの抽出は簡単

 花びらなどの場合は、沸騰している湯のなかに入れればOK。紅芋の場合はにたり蒸したりしてから裏ごしをして水で抽出、濾過します。あまり練ったりかき回すと濾過しにくくなります。どの場合も生のままでつぶしたりしないこと。生のままでつぶすとアントシアニンがなくなってしまいます。色が消えてしまう。酵素によって分解されてしまうと思われます。

 加熱するということは、酵素を失活させること。細胞の各種の機能を破壊してアントシアニンを外部に溶出できるようにするためと考えています。専門書などには、塩酸酸性のメタノールで抽出するように書いてありますが、みずに溶けにくいものまで抽出してしまうので水を加えると濁る場合があります。水で抽出した方が簡単で安上がりだと思います。

 抽出液は栄養たっぷりなのでサリチル酸や安息香酸などの防腐剤を入れておきましょう。おいしそうな臭いもしますので誤飲しないように。

 アントシアニンで楽しもう

 花の種類・植物の種類でアントシアニンの種類も異なります。ですからpHによって分子の状態が変化して色が変わり、可視部で変わるのでわかりやすい特徴があります。

 いろんな花や色のついた植物を煮出してみましょう。うすい塩酸やアンモニア水を少しずつ入れて色が変われば、それはアントシアニンによるものでしょう。

 pHを少しずつ変えてスペクトルを作ってみましょう。紅芋アントシアニンは赤ー赤紫ー紫ー青紫ー青ー青緑ー緑ー黄緑までの色を連続的につくれます。作れないのは黄色から赤にかけての色だけです。

 緑色にした場合は分解し始めるので、早めに酸性側の赤に戻しておきましょう。紅芋は手に入れにくいので、その場合には赤紫蘇を使えば同じ様な変化を楽しめます。ただし長く放置しておくと色の変化が鈍くなって発色しにくくなりますので、酸性・アルカリ性を大きく変えてから好みの色に落ちつかせればよいでしょう。サルビアの赤花でも色の変化が鈍くなりますが、色の変化は酸性気味の赤で中性以上で濃い紫の赤になります。

 アントシアニンの保存法

 アントシアニンの抽出液は栄養たっぷりなので冷蔵庫に入れておきます。安息香酸などの防腐剤をいれ塩酸酸性にしておけば長期保存が可能になります。花大根などは無色の溶液になってしまいますが、塩酸を入れると発色することもあるので試しておきましょう。

 さらに長期に、大量に保存したい場合は粉末にしてしまいます。酢酸鉛水溶液を入れると青紫の鉛塩として沈殿します。これを口別しアセトンで脱水したあと十分に乾燥し、乳鉢で砕いて粉末にしておけば何年でも保存できます。使用するときは適量取り出して、希硫酸を入れ濾過すればアントシアニン水溶液が得られます。感想不十分だとカビが生えます。粒が大きいと溶けだしません。

 

取材メモ

                                

 レジュメに紹介されているように、レモンティーやムラサキキャベツの実験材料とは色の違いが断然でありました。持場さんの机上には、19の三角フラスコが(写真)、向かって右から酸性マアルカリ性に並べられていました。

 紅芋(写真)は、中が紫っぽく、沖縄のベニウムケーキもそのようなきれいな色だそうな。

 また、他の植物としてサルビア・桑の実・ムクゲ・カカシソから抽出した液もありました。(抽出時はそれぞれの花の色であったそうですが、保存のため塩酸塩でpHは0に近くしている。)

 500ミリリットルのペットボトルに溶液いっぱい詰まって100円の販売も、実際授業で取り上げる価値大。


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